上司
エドワード・エルリックは今、東方司令部の司令官が居ないことをいいことに部執務室のソファで気持ちよさそうに寝ていた。 昼過ぎだと言うのに起きる気配はまったく無い。窓から差し込んでくる太陽の光が部屋を明るくし、エドワードの顔がよく見える。 今日の朝までに提出しなければならない書類を徹夜付けで終らせていたのだ エドワードは慣れない書類を片付けていたので すぐに眠りに着いた 部屋の主も今は居ないこともあって執務室にはエドワードの寝息だけが聞こえる。 コンコン 扉の叩く音だ 煙草を銜えた長身の男が現れて 「大佐ー 追加の書類ですよー・・・って・・エドがいる・・・」 とりあえず、ハボックは持ってきた書類を部屋の主がいつも向かっている机に置いた エドワードの顔を見ると、目もとに うっすらと隈ができている 「起こすのも可哀想だしなぁ」 口に煙草を銜えて頭をボリボリ掻いた 「起こさなかったら大佐に悪戯されるだろうしなぁ」 熟睡しているエドワードを見て悪戯をしている自分の上司の姿を思い浮かべる 「あとでエドに怒られそうだ・・・」 ハボックは結論をだした 「怒られる前に、起こしとくか。」 ハボックはエドワードの肩を揺すりながら 声をかける 「大将ー起きろー」 「・・・待てアル!・・・それはマグネシウムだ・・・」 夢を見ているのかエドワードは寝言を言っている そういえば、 小さい やら 豆 やら 子供 などの単語を聞かせると激しく怒ることを思い出した試しに言ってみる 「・・・・・・豆」 「どぅわれが豆粒どちびかーーー!!」 エドワードは機械鎧の方の腕を振り回した 「うお 大将、あぶねーって!」 「豆ゆーな!・・・なんで少尉がいるんだ?」 「俺にしてみりゃ エドがなんでここにいるんだ?なんだけどね。まぁ俺がここに居るのは大佐に追加の書類を持ってきただけだ」 「ふぅん。でも大佐いねーぞ」 「サボリだろ。中尉にばれたら命はないだろうな。んで、大将はなんでここにいるんだ?」 仕事をサボって中尉に脅されている情けない上司の姿が目に浮かんだ エドワードは懐からクリップで纏められた紙を出しながら 「報告書もってきた。・・・また あいつサボってんのかよ・・・」 語尾にため息がつくほどエドワードは飽きれていた 「あぁ、報告書は大佐の机に置いときな」 言われたことに従ったエドワードは大きな欠伸をする 「そういや、大将はなんでここで寝てたんだ?」 「んー・・・大佐にやれって言われた書類片付けてたんだけどさ、徹夜で寝れてなくて。大佐が来るまで待ってようと思ってソファに座ったら寝ちまってたみたいだ」 そう言って次に大きく伸びをした そして何か思い出したように 「あ、少尉、これやる」 子供がいきなり差し出してきたのは飴玉だった 「飴・・?」 ハボックの頭の上にクエスチョンマークが立つ 「そ。少尉煙草くせーんだもん 飴でも食べて禁煙したら?」 「ばっか。俺は煙草がないと生きていけねーの」 余計なお世話だ と子供の頭を軽く小突いた 「つーか、少尉、大佐探さなくて大丈夫なのか?」 エドが言葉を発した直後、勢いよく扉の戸が開かれた2人はぎょっとして振り向くと、そこにはロイに銃を突きつける厳格な表情の女性と、サボリが見付かってしまい顔を青くしている東方司令部の司令官だった。 ロイはエドとハボックに気づくと、うわずった声で 「は、鋼の。来ていたのかね 会えて嬉しいよ」 「おう。サボってんなよな大佐」 エドワードはそっけなく返す 「こんにちは、エドワード君。もっと言ってくれてもかまわないわよ それと大佐、仕事中ですので口説くのは お止めください」 「こんにちは、ホークアイ中尉。それにしても すごい書類だね。どっかの誰かさんがサボるせいで、こんなに溜まってるの?」 ホークアイ中尉と呼ばれた女性は頷き、 「そうなのよ。どっかの無能がサボるせいで休日も ろくに取れないの」 「ちゅっ中尉!無能はあんまりじゃないか!」 顔を引きつらせたロイは、ホークアイの言った 無能 と言う単語について反論した 「本当のことだろ、ム・ノ・ウ」 エドワードを見ると ニヤニヤ笑っている 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・豆粒」 「んな!?どぅあれが豆粒どチビかーーー!!」 「君のことだよ鋼の。君以外に誰がいると言うのかね。」 「うっさい!無能!てめーは さっさと仕事しろ!この無能!」 2回も言わなくても。とハボックはのんきに間を飛び交う言葉に心の中でつっこんだ 「無能で結構!他の所が有能なのでね!」 「開き直るな!他ってどこだよ!?」 むっとした表情で問うてくるエドワードに ニコリと笑って 「おや、聞いてくるのかい。では鋼の、今日の夜は私と一緒に食べに行かないか?」 きょとんとしたエドワードは1秒おいて真っ赤になった ロイの「有能」と言い張る部分が分かったのだ 「私の有能なところをたっぷりと教えてあげるよ」 「ばっ・・っか!誰があんたなんかと行くかよ!」 ホークアイが銃に弾を篭めているのをハボックは見た。上司と子供はまだ言い合いを続けている とばっちりを受けるのが目に見えたので1人だけその部屋から逃げるように出て行った 戸を静かに閉めたあと聞こえたのは何発か鳴った銃声の音で、次に聞こえたのはホークアイ中尉の静かな声だった ハボックは自分の勘の良さに心底感謝した 「それにしても・・・」 誰もいない廊下でハボックはポツリと呟き、続きの言葉を飲み込んだ あの上司の顔は心地良さそうで、何か愛しい物を見るような目だったのだ 言い合いをしながらも まんざらでもない子供の姿を思い出す 「・・・・意外だなぁ・・・・」 いつの間にか煙草が短くなっていて さっき子供からもらった飴玉取り出す 白色の紙に包まれている丸い飴は空の様に青く、軍服の色みたいだった ハボックはそれをマジマジと見て 勢いよく口に放り込んだ 「さて、もう一仕事いきますか」 口の中で飴玉を転がせて静かな廊下を軍人らしい靴の音を響かせながら 自分の職場に戻るのだった。
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コメント 続きますよ(ぇ だってエドはロイに誘われちゃったもん(なにそれ ここで行かないわけがない(´∀`) てかこれ、あるサイトさんの マンガの1部分をイメージしてみました