loveless 愛が無い

 

なあ、大佐 あんた俺を愛してる?


俺、見ちゃったんだよね。大佐が女とホテルに入っていくところ

別に問い詰めないけどさ、でも




あのとき目が会って笑ったのは なんで?


まずは 食事に誘って適当にホテルに連れ込んで抱く これが俺に対する大佐の態度

女の場合も同じらしいだ。俺は女か馬鹿馬鹿しい


同じのようで同じではない 大佐は女といるとき どんな事をするのだろう
俺と同じ扱いなのかな なんでか分からないけど、すごく気になるんだよね

「なあ」

前に一度聞いたことがある

「女と寝るとき どんな風に抱いてるの?」

返ってきたのは残酷な言葉だった

「とても優しく抱いているよ」


あんたにとってその言葉はなんでもない物だったかも知れないけど




俺にとっては とても傷つく言葉だったんだ

sexは人と人を繋ぐものだけど、大佐と俺を繋ぐものでもあって・・・あぁ もう何言ってるかわかんなくなってきた
とにかくその言葉を聞いたとき、俺は無償に悲しくなったんだ

なんでか分からないけど、すごく悲しかったんだよね


次に東方司令部を訪れるのは2ヵ月後くらいかな

それまで大佐は何人の女と寝るんだろう 

列車に揺られながら考えちゃうんだよね。・・・重症だ・・・どうすればいい?


考えることを諦めた俺はとりあえず、弟の冷たい鎧にもたれて寝ることにした

夢を見た

地面に丸い穴があってそこから水が溢れてくるんだ

たちまち湧き上がった水は俺を襲う

水はとても冷たかった 水に包まれながら思う あぁ、アイツが俺を見る目と同じ冷たさだ



列車がガタンと激しく揺れたあと起きてしまったから夢は途絶えたけど、俺は無償に寂しくなった


「兄さん?」

エドが起きたことに気づいた弟は

「起きたの?もうすぐ中央に着くみたいだよ」

窓の外を見ると太陽が中央の建造物に隠れていく様子が見えた

「あー、んじゃ 起きてるかな」
「めずらしいー いつもは着くまで起こすなって言ってるのに」

あたりまえだ 今寝たら夢の続きを見そうで嫌だったから

夢なんて見なければいいのに。どうせならならもっといい「夢」でもみせやがれ


中央に着いた俺たちは国立図書館に向かった
アルフォンスは先に宿を取りに行ってここにはいない


目に止まった本があった 童話だ

貴重な文献などが置いてあるここにはあまりにも不釣合いで、エドワードの目に止まる

 

中央に着いた俺たちは国立図書館に向かった
アルフォンスは先に宿を取りに行ってここにはいない

目に止まった本があった 童話だ

貴重な文献などが置いてあるここにはあまりにも不釣合いで、エドワードの目に止まる


 

    The child who does not know love

        愛を知らない子供



なんとなく、その本を手にとってパラパラと読んでみる

物語はこんな感じだ


あるところに一人の子供がいました
子供には親がいませんでした 
その子供はクリスマスツリーに飾るオーナメントを作っていた
師もいないのに子供は見事にオーナメントを作り上げ、それを売って暮らしていた
街に並んでいる家を見ると、窓から子供が親と一緒にケーキを食べている姿が見える
子供はとても寂しくなった
どこの家の窓をみても見えるのは暖かい笑顔とツリーに飾られたオーナメントで
子供はとても悲しくなった
幼くして親を失った子供は「クリスマス」などした事がなかったのだ
子供は作ったオーナメントを家々の玄関口に置きました
翌朝、玄関口に置いてあるオーナメントに気づいた大人たちは
何も言わず、ただそのオーナメントを拾いあげツリーに飾るのだった
子供はオーナメントを作り続けた
そうすることで 自分の存在価値が分かるからだ
子供は死ぬまで作り続けるだろう


エドワードはその本を閉じて思った

果たしてその子供はオーナメントを作り続けるのだろうか


自分の質問にはっとする

あぁ、そうか。

俺がアイツに愛を求めているからだ。だから諦めきれないんだ

この思いは朽ちてくれないだろうか

いっそのこと形も残らず消えてしまえばいい

抱かれたことも、すべて、なにもかも、雪のように消えて、形が無くなればいいのに

そう、思った

後悔するのはいつも分かったあとで
俺は少しふっきれた
ちゃんと言おう。2ヵ月後に会って話しをしよう

今よりは楽になれるかもしれない
列車で見た夢が現実を映しているのだったら、

あの冷たい水を暖かい水に変えてみせよう

アイツの俺を見る目を変えてみせよう


俺は本を元の位置にもどした




Back



コメント

あふー!シリアスきたーしかもなんか続編ありそうだし@@
クリスマスにシリアスってだめだねー

ちるどれんずすとーりはリンク切りました