いつか消えると思っていたこの思いも

あなたの前では意味をなさない

枯れると思っていたこの思いは
 
あなたの前では枯れはしない 






似すぎているこの世界で






第2資料室の前 目の前には目的の部屋がある。が、

「なんで違う鍵を渡すんだ・・・!」

エドワードは銀色の鍵を何度も穴に入れるが、扉は硬く閉ざされている
ハークス教授は今日行う講演の手伝いで忙しいだろう もう一度会うことは難しい

「あーもう!・・・・・・錬金術が使えたらなあ・・・」

この世界で錬金術は使えない。分かっていながらもエドワードは掌を合わせる
パンッ と懐かしい音を聞いた後、手を扉に合わせるが勿論何も起きはしない

扉に両手をつけたまましゃがみこんだエドワードは自分に言い聞かせる

ここには錬金術なんてない。あったらとっくに俺は向こうに戻ってる。
アルはちゃんと生きてるのか?俺の理論は間違っていなかったか?

押し寄せるのは不安ばかりで俺は少し項垂れる

「大丈夫かね?」

いきなり声を掛けられて、肩がビクリとなる
急いで振り向いたあと咄嗟に出た言葉に後悔する

「・・大佐・・」

目の前に、自分の目の前に、彼がいる。
エドワードは目を離せなかった。漆黒の髪、黒曜石のような眼、懐かしい声
どれを取ってもロイと重なるからだ

「大佐?・・・すまないが、私は君に覚えが無い・・・どこかで会ったことが?」

エドワードは はっとして急いで立ち上がる

「す・・すみません、知り合いに似ていたものですから」

ここは現実世界だ。アルフォンスに似ているハイデリヒも、ロイに似ているこの男も、
全てここの人間だ。自分を知るはずが無い。

「ああ、よかった。私は結構 人を覚えるのが得意でね、自信をなくすところだったよ」

そう言って笑う目の前の男に エドワードは心の中で舌打ちをする

正直、「今」会いたくない人だった。
会うことを諦めていた心に再び痛みが刺す

「・・・じゃ、俺はこれで・・・」

逃げるようにその場を立ち去ろうとするエドワードに男は、

「待ちたまえ、第2資料室に用があるんじゃないのか?」

ピタッと立ち止まるエドワードを見て続ける

「私が鍵を持ってるよ」

振り向いたエドワードは男の顔を見る

男は金色の鍵を見せて笑っていた













扉が開くと少しカビ臭い匂いがしたが、それはエドワードを懐かしく感じさせた

暗い資料室に明かりがつき、蝋燭の灯が部屋を明るく照らした
男は蝋燭を灯していく

「うおー、やっぱ第2資料室はすごいなー」
部屋を見渡して感嘆する

「第1資料室はもっとすごいけどね」

クスリと笑う声の主は

「君はどうして第2資料室に?ここはそれなりに成果を出した者が入れるんだが・・
 君は見るからに子供だし・・・」
「子供じゃねぇ!」

ロイによく似た人物はびっくりした様子で すまない と誤った
誤られた俺は気まずくなって

「あ・・いや・・怒鳴るつもりじゃなかったんだ。・・・ここにいるのはハークス教授に鍵を借りたからだ・・です」

自然とタメ口になって 語尾を敬語に変える

男はまた笑って
「敬語はいいよ、苦手みたいだしね」

図星を指されて目を逸らす

「あんたこそ、なんで第1資料室が使えるんだよ。」

第1資料室は教授達しか使えないはず そう聞いている。というか、教えられた

エドワードの疑問はすぐに解決した

「それは私が教授だからだよ」

ニッコリと笑ってみせた男は酷くあの人に似ていて、
俺の心は痛みで血が溢れ出していた

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コメント

ひいいー!
ロイ出てきちゃった・・!
いろいろ気に入らない部分があるので
こっそり修正しよう。。orz

2006.1.14
修正完了